RPAの導入が進む金融業!どのような業務で活用されている?

RPAを導入するなら、実例を理解しておこう

RPAを導入することによって業務の効率化が期待できるとされていますが、RPAの導入を検討している企業にとっては、具体的にどのように効率化されるのか、ということを事前に理解しておきたいと考えるのではないでしょうか。

RPAは金融業で導入が進んでいますが、金融業におけるRPAの用途や、利用の実例について詳しくみていくことにしましょう。

伝票転記作業

金融業においてRPAが活用されている事例としては「伝票転記作業」があります。

伝票の転記作業は、決算に向けて財務諸表を作成するために仕訳帳から総勘定元帳への転記が行われたり、グループ企業が連結財務諸表を作成するために各社の財務状況を転記したりします。

伝票を転記する作業は基本的に人手によって行われていますが、単純な作業ではあるものの正確さが求められること、そのうえ作業量が多いので、作業に長い時間を要することがほとんどです。

もし、転記ミスがあった場合は、修正作業に時間がかかってしまう場合もあります。

その点、RPAが伝票転記作業を行えば、作業量が多くてもミスなく作業を処理することが可能となるため、作業の効率化が見込まれます。

入出金処理

そのほかの事例としては「入出金処理」があります。

入出金業務の中で、特に自動化が遅れているのが入金に関する業務です。その理由は、入金の場合、発行した請求書と入金額の突合を手作業で行う必要があるためです。

入金については締め切り日が設定されており、締め切り日より早い段階で入金されることもあれば、締め切り日を過ぎても入金がない場合もあります。もし、入金がなければ、再度請求する作業も発生してしまいます。

その点、RPAは複数のシステムを横断して処理できる性質を持っているため、RPAが請求書と入金額の突合を自動的に処理するほか、入金がない場合には、取引先に自動的に再請求のメールを送ることも可能となります。

事務作業の集約化

また、RPAを導入することにより、各支店において処理している事務作業を本社に集約し、自動的に処理することができます。

例えば、ある事務作業について、各支店でデータをまとめ、その内容についてデータ入力を行った上で本社へデータを送信していたとしましょう。

ここで、RPAの導入により、これまで各支店で行っていた事務作業を、本社で一括的に処理することに変更したとします。これにより、各支店での作業はとりまとめたデータを本社に送信するだけとなり、各支店ではデータ入力作業を行う必要がなくなります。

さらに、本社に送信されたデータはRPAによって迅速かつ正確に処理されるため、企業全体でみれば大幅な効率化が期待されることになるのです。

住宅ローンの申し込みをRPAが効率化

そのほか、RPAは住宅ローンの申し込みも効率化します。

住宅ローン専門金融機関のアルヒ株式会社は、RPAのほかにOCR(光学的文字認識)を活用して、申込書に記入する項目を大幅に減少させました。

従来は、提出書類に記載されている内容であっても申込書に記入する必要がありましたが、RPAとOCRの活用により、提出書類に記載されている内容をOCRで読み取り、読み取った内容をRPAが転記することによって、申込書の記入項目の減少が実現したのです。

参考:アルヒ株式会社 プレスリリース
https://www.aruhi-corp.co.jp/

金融業では煩雑な事務作業が多いこと、また、深刻化する人手不足に対応するため、RPAの導入が積極的に行われてきました。事務作業の効率化を図るならば、金融業の事例を参考にしながら、RPAの導入を前向きに検討してみてはいかがでしょうか。

(画像は写真ACより)