「物体」や「対象」を意味する「オブジェクト」
RPAのシナリオを作成する方法の一つとして、「オブジェクトタイプ」があります。オブジェクトとは、直訳すると「物体」や「対象」という意味ですが、RPAの「オブジェクトタイプ」とはどのような内容なのでしょうか。
また、オブジェクトタイプの使用方法や特徴についてもみていくことにしましょう。

オブジェクトタイプとは?
RPAのオブジェクトタイプについて簡単に説明すると、RPAのシナリオ作成方法の一種であり、RPAの製品内のテンプレートを活用しながらRPAに業務の処理方法を記憶させるタイプのことです。
RPAに業務を記憶させる場合にテンプレートを活用するとは、具体的にはどのような方法を指すのでしょうか。
その方法とは、業務の手順をテンプレートに入力していくことです。業務の順序通りに箇条書きで記載していくことで、RPAが業務の流れを理解することができるのです。
例えば、ある小売業において、各店舗の売上を自動集計する業務をRPAに記憶させるとしましょう。箇条書きで記載すると、以下の通りとなります。
・各店舗の売上データを参照
・売上集計画面を開く
・参照したデータを元に売上を集計する
・集計後、データを印刷
このように、RPAに印刷の指示を行っておくことで、売上の集計はもちろんのこと売上データの自動印刷も可能となるのです。
つまり、業務の手順があらかじめ明確化されていれば、テンプレートに業務内容を入力するだけで、RPAが業務の処理方法を記憶できる仕組みとなっています。
オブジェクトタイプを利用するメリットは?
次に、オブジェクトタイプのメリットについてみていくことにしましょう。
メリットとしてあげられることは、RPAに業務を簡単に記憶させられる点です。
一般的に、コンピュータに業務を記憶させる場合には、プログラミングを利用する必要がありますが、一般の人がプログラミングを理解し、使いこなすことは困難な状況と言えます。
しかし、RPAがオブジェクトタイプである場合は、用意されたテンプレートに従って、業務の手順を箇条書きで入力するだけで十分なので、プログラミングを学んでいない人であってもRPAに業務を記憶させることが可能となります。
そのため、RPAのオブジェクトタイプを利用すれば、RPAを利用する敷居が低くなり、より多くの人たちがRPAを手軽に使いこなすことが期待されるのです。
オブジェクトタイプを利用した場合のデメリットは?
逆に、オブジェクトタイプを利用する場合のデメリットとしては、複雑な業務処理に対応できない場合がある点です。
オブジェクトタイプを利用して業務内容を入力する場合は、原則として単純な作業に限られます。そのため、テンプレートに複雑な内容の業務を記載すると、RPAがその業務内容を理解できないために、RPAが業務を処理できなくなる場合があるのです。
もし、RPAに複雑な業務を理解させたい場合には、オブジェクトタイプのテンプレートが比較的複雑な内容にも対応しているかどうかを事前に確認する必要があるでしょう。
また、テンプレートのカスタマイズが可能かどうか、という点もあらかじめチェックしておきましょう。カスタマイズができることによって、複雑な業務であってもRPAに業務を記憶させることが可能となる場合があります。
今後は、RPAの普及が進んでいくと見込まれていますが、RPAの普及が進むためには、RPAが使いやすいことが大前提と言えるのではないでしょうか。使いやすい機能であるオブジェクトタイプのRPAを活用しながら、業務の効率化を図っていきたいですね。
(画像はぱくたそより)