「認識」も可能な点が、RPAならではの特徴
RPAは、作動するための一定のシステムが設定されていれば、その後は自動的に業務を理解して、業務を習得することも可能となっています。
それを実現させるためには、RPAに「認識」の能力が求められますが、RPAはさまざまな方法で認識することができるのです。今回は認識方法の一つとして「対象オブジェクト認識方式」について紹介します。

RPAは、人手による業務の認識が可能?
RPAの対象オブジェクト方式について調べていく前に、RPAが人手による業務を認識する仕組みについてみていくことにしましょう。
RPAが人手による業務を認識する方法としては、人間によって作成されたルールを認識することから始まりますが、RPAの特徴としてあげられることは、PC上で人間が行った操作をRPAが記録し、その記録をもとに操作方法をRPAが理解し、自動的に業務を処理できるようになることです。
つまり、RPAは人間の操作方法を理解する能力があると言えますが、RPAはそれだけにとどまらず、ウェブ上に記載されている内容、例えば、ウェブを構成するプログラミングも理解することが可能なのです。
次に、対象オブジェクト認識方式の「オブジェクト」の意味は、「対象物」や「目的」となります。より広い範囲でとらえると、ウェブ上における何らかのモノが「オブジェクト」となりますが、この場合はウェブを構成するプログラミングが当てはまります。
このことから、RPAの対象オブジェクト認識方式とは、RPAの目の前に存在する何らかのモノを認識する方式と言うことができます。
RPAがHTML/CSSの構成を解析
RPAの対象オブジェクトの一つとして、先ほど「ウェブを構成するプログラミング」について説明しましたが、このプログラミングを専門的な用語で説明すると、「HTML/CSS」となります。
「HTML/CSS」は、HTMLとCSSに分けることができますが、HTMLとは、ウェブページを画面上に表示するための言語のことです。
HTMLのソースコードを実際に見てみると、アルファベットや数字、記号がたくさん並んでいますが、これらのソースコードに基づいてウェブページが表示されます。
次にCSSについて説明すると、ウェブページのレイアウトを構成する場合に用いられる言語となります。
ウェブページでCSSを活用することにより、より見栄えのあるウェブページを制作することができます。
RPAがウェブページやソフトのHTMLやCSSを解析すれば、業務を処理する上での情報が得られることになります。そのため、RPAによってHTML/CSSの解析が進むほど、業務処理の効率化が期待できることになるのです。
対象オブジェクト認識方式の使用シーンは?
対象オブジェクト認識方式におけるRPAの使用方法としては、デスクトップが直接的に利用できる環境であることがあげられます。
対象オブジェクト認識方式は、HTMLやCSSの解析が必要となりますが、これらを解析するためには、デスクトップの画面を通じて解析しなければならないためです。
なお、RPAは他のデスクトップの遠隔操作中に利用する場合がありますが、そのような場合はHTMLやCSSができない状態となるため、対象オブジェクト認識方式を利用することができない点に注意が必要です。
業務の自動化や効率化が期待できるRPAですが、RPAが業務を認識する場合に、HTMLやCSSを解析するということについては、意外に感じた人もいるのではないでしょうか。
最新の技術や製品を適切に活用しながら、業務の効率化を進めていきましょう。
(画像は写真ACより)