RPAの利用シーンを見かけることは少ない状況
事務的な作業の効率化が期待される「RPA」は徐々に普及が進んでいると言われますが、現状は、実際にRPAが導入されている企業は少ないのではないでしょうか。
そこで、RPAに関する調査結果を参照しながら、RPAの導入状況について調べていくことにしましょう。

RPAの利用率はどれくらい?
IT分野のリサーチ、コンサルティング事業を展開する「ガードナー ジャパン」は2017年10月、「RPAに関する調査結果」を発表しました。
同調査は、同年5月に実施されましたが、「国内企業のRPA導入状況」の調査結果をみてみると、「導入済み」と回答した企業は14%にとどまりました。
その一方で、「導入予定/検討なし」と回答した企業は34%、「分からない」と回答した企業は26%となり、60%の企業がRPAの導入意思を明らかにせず、RPAの導入については消極的な状況が示されました。
参考:ガードナー ジャパン
https://www.gartner.co.jp/press/html/pr20171012-01.html
上記の調査結果を踏まえると、RPAの導入予定がない企業だけでも全体の約3分の1に達していることから、今後、RPAの導入は思うように進まないことも考えられます。
それでは、なぜ多くの企業がRPAの導入に踏み切ろうとしないのでしょうか。
RPAが使いづらいと感じてしまう
RPAの導入に踏み切らない理由としては、RPAが使いづらいと感じてしまうことがあげられます。
RPAを利用する場合、たいていはプログラミングの知識を必要としないために比較的スムーズに導入が進められますが、RPAに関する知識をある程度持ち合わせていないと、RPAを使いこなせない状態となってしまいます。
特に、パソコンやIT関連の扱いが苦手に感じる人としては、RPAを利用するよりも、今まで通りに処理した方が確実と感じる人もいることでしょう。
しかし、RPAを導入すれば、業務の自動化が進むことから、結果として業務の効率化が期待されます。RPAを導入する場合は、研修を行うなどしてRPAの利用方法を周知しておくことが必要でしょう。
費用対効果が期待できるかどうか分からない
また、RPAの導入に踏み切りにくい要因として「費用対効果が期待できるかどうかが分からない」ということもあげられます。
RPAの価格について、「日経クロステック」のサイトを参考にしてみると、20万円台で導入できるものや、1000万円を超えるものもあり、RPAの内容に応じて価格も千差万別となっています。
RPAは、事務的な作業の効率化がメリットと言えますが、RPAには高額なものもあり、初期投資の高さを理由に導入を見送ってしまうケースがあるかもしれません。
しかし、RPAへの投資額が高かったとしても、長期的な視点でみると、RPAの導入によって経費の削減が進むことも十分に考えられます。
経費の削減効果とRPAの導入費用を比較し、費用対効果を見据えた上でRPAの導入を決めると良いでしょう。
RPAに革新性がみられない
そのほかの理由としては、RPAに革新性がみられないことがあげられます。
RPAは、事務的な作業の効率化が期待できますが、現状では、RPAが業務を処理するルールは人間が定めることがほとんどであり、RPA自身が学習しながらルールを構築していくことは難しい状況です。
このことも、RPAの費用対効果が疑問視される要因と言えるでしょう。
しかしながら、今後、RPAの導入が進むにつれてRPAの改善が進むと期待されるため、より性能の高いRPAが発売されることも見込まれます。
それが実現されるためには、RPAがより一層利用されることが前提と言えそうです。
RPAは人手不足や働き方改革など、労働問題の解決に一役買うものと期待されています。RPAのメリットとデメリットを十分に比較した上で、RPAの導入に踏み切ってみてはいかがでしょうか。
(画像は写真ACより)