業務のブラックボックス化を理解し、トラブルを防ごう
RPAを導入することでさまざまなメリットが得られる反面、RPAの導入によってデメリットを受ける場合があります。デメリットの一つとして、「業務のブラックボックス化」がありますが、ブラックボックス化とはどのような状態を指すのでしょうか。
RPAを導入する前に業務のブラックボックス化を理解し、それと同時にブラックボックス化への対策についても調べておきましょう。

業務のブラックボックス化とは?
RPAの導入後に生じることがある「業務のブラックボックス化」について簡単に説明すると、ある業務の処理方法を知っているのがRPAだけになってしまう状態です。
つまり、RPAが日常的に行っている業務の処理方法は、その企業の人たちが誰も知らない状態を指すのです。それでは、なぜそのような状態となってしまうのでしょうか。
その理由としては、RPAが処理している業務内容を知っているのが、RPAの担当者だけだったということがあげられます。
RPAの担当者がいればRPAが処理している業務の内容を説明できますが、もし、RPAの担当者が異動、または退職して、担当者が変わったとしましょう。
もともとのRPA担当者が、新しいRPA担当者にRPAの業務内容を十分に引き継ぎしていない場合や、もともとの退職者が急きょ退職し、引き継ぎが行えなかった場合などは、RPAが処理している業務内容を確実に理解している人が誰もいない状態になってしまうのです。
業務のブラックボックス化が問題となる理由は?
それでは、業務がブラックボックス化してしまうと、どんな問題が発生してしまうのでしょうか。
問題となるのは、RPAのシステム変更が自由にできなくなってしまうことです。
企業を取り巻く環境は日々変化していることから、企業はそれに応じて業務の処理方法を変化させていく必要があります。
業務の処理方法の変更に伴ってRPAのシステムも変更しなければならない場合、RPAがブラックボックス化していると、システムを変更することが不可能となってしまいます。
RPAの導入は、時代の変化に対応していくことを目的としているはずですが、RPAがブラックボックス化してしまった場合、時代の変化に対応するはずのRPAが、変化に対応できない状態にもなりかねません。
そのような状態を避けるためにも、RPAのブラックボックス化は避けなければならないのです。
業務のブラックボックス化を回避する方法は?
それでは、RPAの導入における業務のブラックボックス化はどのようにして回避すれば良いのでしょうか。
回避の方法としては、RPAに関するマニュアルの作成があげられます。マニュアル作成をするならRPAの導入時が最適です。
その理由は、RPAの導入前に人手によって行われていた作業をRPAに置き換える場合は、RPAが確実に業務を処理するために、業務の手順や方法を明確化する必要があるためです。
この「明確化された業務の処理方法」こそが、RPAが業務を処理するベースとなることから、この方法をドキュメント化することによってマニュアルを作成すれば良いのです。
RPAに関するマニュアルを事前に作成しておけば、RPAの担当者が変わった場合であっても、マニュアルを参照することによって業務のブラックボックス化を防ぐことができます。
RPAは業務を自動的に処理できることから、RPAを利用する人間としては完全にRPAに任せてしまいがちです。しかし、RPAを適切に活用するなら、RPAが行っている業務を常に把握しておきたいものです。
業務のブラックボックス化を回避するためにも、RPAが行う業務については、ドキュメント化やマニュアル化を進めておきましょう。
(画像は写真ACより)