コストの目安がわかれば、RPAの導入を判断しやすい
業務の効率化が期待できるRPAですが、RPAを導入する際のネックとなっていることは導入コストではないでしょうか。あらかじめコストの目安を理解しておけば、費用対効果が見込めるかどうか、ということが判断しやすくなります。
また、RPAを利用する際の料金形態は、サービスの内容に応じて各種の形態があります。料金形態についても詳しくみていくことにしましょう。

レンタルリース型
RPAを利用する際の料金形態は、大きく分けると「レンタルリース型」、「年間利用型」、「買い取り型」があります。
レンタルリース型とは、RPAのソフトウェアを購入せずに、レンタルの形でRPAを利用することを指します。
レンタルリース型の特徴は、利用期間が短く、基本的には月額の定額制で契約期間が1年程度となっています。
月額の利用料金を支払うことで、RPAのサービスを利用することができますが、レンタルリース型は短期間の利用と言うこともあり、価格が割高となる場合があります。
RPA.bizのサイトによると、BizRobo!の利用額は1か月あたり60万円となっており、1年間利用すると720万円となります。
もっとも、BizRobo!は数多くのデスクトップを管理するタイプのRPAであるサーバー型RPAであるため、デスクトップ型のRPAと比較すると必然的に割高となっています。
RPAの導入を短期間に限る場合は、レンタルリース型を検討してみましょう。
年間利用型
RPAの料金形態で多くみられるのが、「年間利用型」です。年間利用型の場合は、定められた年額の料金を毎年支払い続ける仕組みとなります。
年間のライセンス料は、各社、あるいはサービス内容によって異なりますが、RPA.bizのサイトによると、NTTデータが提供する「WinActor」はフル機能版ライセンスが年間90万8000円、実行版ライセンスが年間24万8000円となっています。
なお、RPAの価格については問い合わせが必要なケースが多く、RPAの利用範囲、機器を利用する台数など、さまざまな要因によって価格が異なります。場合によっては、年間のライセンス料が数百万円となる場合もあります。
RPAには、デスクトップ型RPAとサーバー型RPAがありますが、デスクトップ型RPAは比較的価格が抑えられるのに対し、サーバー型RPAは割高となる傾向があります。
買い取り型
「買い取り型」とは、RPAのライセンスを買い取る形となります。買い取り型の場合は年間利用型とは異なり、RPAを導入する時に一括でライセンス料を支払う仕組みで、その後はライセンス料を支払う必要はありません。
ただし、買い取り型の場合はライセンスの金額に「年間保守料」が含まれているケースが多くみられます。年間保守料の内訳としては、RPAソフトウェアの不具合を修正するためのプログラム更新費用や、機能を追加するバージョンアップの費用などが含まれています。
日経xTECH(クロステック)のサイトによると、Automation Anywhereは、20種類の業務を自動化したとすると、価格は年間保守料を含めて1300万円程度となっています。
買い取り型の場合、導入コストは大変高額となることがわかります。そこで、年間利用型のRPAとコストについて比較してみましょう。
仮に、年間利用型のRPAの利用料が100万円であるならば、買い取り型のRPAの価格が1300万円の場合、13年以上利用すると、買い取り型の方がコストの面で優位となります。
最近では、RPAは年間利用型が主流となっており、買い取り型は少なくなっていますが、買い取り型と年間利用型を比較し、長期的に利用する場合は、買い取り型の導入を検討してみましょう。
RPAの利用におけるさまざまなタイプについてみてきましたが、社内で抱えている問題をいかに解決するか、という視点を持ったうえで、RPAをどの程度の期間にわたって利用するか、ということをあらかじめ決めておくことが大切です。
それによって、利用するRPAのタイプをもおのずと決まってくることでしょう。
(画像は写真ACより)