着実なステップを経て、RPAの導入を実現へ
RPAが導入されるまでの流れとしては、全体的な計画を立て、計画に対する検証を行い、検証に対する評価を行うことで、始めて導入に踏み切ることができます。
しかし、これまで人手によって処理されてきた業務をロボットに移行するためには、十分な計画を立てた上で、テストを繰り返さなければなりません。ここでは、RPAの導入と構築について詳しく調べていくことにしましょう。

RPAの「導入・構築」について
RPAの「導入・構築」は、RPAを導入する上での最終ステップです。RPAを導入する流れとしては、「全体計画」、「机上検証」、「PoC」、「評価・修正」を経た上で「導入・構築」が可能となります。
「導入・構築」は、RPA導入の最終ステップではあるものの、導入し始めてから実際の運用に至るまでは、RPAのシステムがとどこおりなく作動するかどうかをテストする必要があるため、数ヶ月程度の時間を要することがあります。
なお、RPAを導入する手法としては「アジャイル開発」と「ウォーターフォール型」があり、アジャイル開発の手法を活用することによって、RPAを導入するまでの期間を短縮することが可能とされています。
それぞれの手法について詳しくみていくことにしましょう。
アジャイル開発とは?
アジャイル開発の「アジャイル」とは、「俊敏」または「敏捷」という意味であり、動きが素早いことを表す単語です。つまり、アジャイル開発とは「開発をスピーディーに行う」という意味合いとなります。
つまり、アジャイル開発を導入することによって、システムの導入がより速く行われるようになるのです。
アジャイル開発では開発のスピードを速めるために、設計や実装を綿密に行うのではなく、大まかな設計や実装を行い、テストを実施します。
そして、テストが終了した時点で再度大まかな設計や実装を行い、テストを実施する、というように、大まかな設計や実装を繰り返しながらシステムの完成を目指します。
大まかな設計や実装であれば、綿密な設計や実装よりも時間を短縮できるほか、システムに不具合が発生した場合は、手戻りする範囲が前回テストした時点に戻るだけとなるので、不具合の修正に時間がかかりにくくなります。
ウォーターフォール型とは?
ウォーターフォール型とは、設計や実装を綿密に行った上でテストを行う方法となります。従来のシステム開発においては、ウォーターフォール型が一般的となっていました。
アジャイル開発では、設計、実装、テストを繰り返し実施していたのに対し、ウォーターフォール型の特徴は、設計を確実に行った上で実装に進み、実装を確実に行った上でテストを実施する、という流れとなります。
そのため、ウォーターフォール型の場合は、設計の期間は設計作業のみであり、同様に、実装の期間中は実装のみ、テストの期間中はテストのみが行われます。
設計や実装が確実に行われていれば、テストの結果に問題は生じにくいものの、テストの結果に問題がある場合は、あらためて設計や実装の見直しが必要となるため、結果的に時間がかかることになります。
そのため、現在のシステム開発においては、アジャイル開発を採用するケースが増えています。
RPAの導入を円滑に進めるためには、小規模に導入し、運用中に問題がないかどうかをチェックした上で、必要に応じて修正を行うことが最適と言えます。
「RPAはできる限り早い段階で導入したい」と考えている企業があるかもしれませんが、RPAの導入に向けた一つ一つのステップを着実に進めていくことが、結果的に早期の導入につながると言えるのではないでしょうか。
(画像は写真ACより)