RPAの導入事例 不動産や食品業界ではどのように活用されている?

金融業のみならず、あらゆる業界で活用される「RPA」

RPAは、多くの事務作業が発生する金融業で導入が進む傾向が見られますが、RPAは金融業に限らず、さまざまな業界で導入されています。

RPAを導入している業界の一例としては、不動産業や食品工業があげられますが、これらの業界ではRPAをどのような用途に活用しているのでしょうか。実例を踏まえながらRPAの導入状況についてみていくことにしましょう。

不動産業での導入事例は?

始めに、不動産業での実例についてみていくことにします。

地域の物件情報は、毎日のように新しい情報が蓄積されていきますが、物件に関する情報としては新築物件や、物件価格の変更、物件が売り止めとなったものなど多岐にわたります。

自社のウェブサイトに物件情報を公開する場合、多種多様な物件情報の中から新築に関する情報、内容が更新された物件、というように物件を種類別に分類する作業が必要となります。

しかし、この作業を人手によって行う場合、時間がかかりがちとなってしまいます。

その点、RPAは複数のデータベースを横断しながら情報を取得することが可能であるため、物件情報を収集するのはもちろんのこと、収集した物件情報を自動的に、しかも正確に分類することが可能となります。

人手によって行われる作業は、RPAが収集、分類した物件情報を確認するだけとなるので、自社のウェブサイトで公開している物件情報の更新が簡単に行えるようになるのです。

食品業界での導入事例は?

次に、食品業界の事例についてみていくことにしましょう。

食品工業においては、生産した製品を卸売業者に販売しますが、その製品を卸売業者がどれだけ販売したか、というデータを各卸売業者から収集し、自社のデータとして蓄積することで、今後の生産の参考とします。

各卸売業者の販売データは、そのフォームが業者ごとにまちまちであることが多いため、フォームに記載された販売データは人手によってExcelに入力されることになります。

しかも、取引している卸売業者の数が多いほど、入力作業に時間を要することになりがちです。

その点、RPAがこの作業を行えば、販売業者ごとに販売データのフォームが異なっていたとしても、RPAが販売データを自動的に読み取り、読み取ったデータをExcelに自動的に転記することが可能となります。

取引している業者の数が多いほど、RPAの導入による業務効率化の効果が期待できることでしょう。

システムインテグレーター企業もRPAを導入

システムインテグレーターとは、情報システムの企画から運用に至るまで、一連の業務を請け負う業務のことです。そのため、システムインテグレーター企業は、クライアント企業にRPAを提供する場合があります。

その一方で、システムインテグレーター企業は、自社の業務効率化を目指すために、RPAを導入することがあるのです。

例えば、システムインテグレーター企業が、複数のクライアント企業からRPAの導入を請け負った場合、RPAの導入案件に関する情報を参照しながら、自社のシステムに転記していたとしましょう。

この作業をRPAが行うと、クライアント企業のRPA導入案件に関する内容を自動的に読み取ったうえで、自動的に自社システムに転記することが可能となります。

これによって、自社ではクライアント企業の情報を転記する作業が不要となり、RPA導入の業務に十分な時間を確保できることから、クライアント企業へのRPA導入が円滑に行いやすくなるのです。

このように、RPAは多くの業種において幅広く利用されていることが分かります。人手不足の解決や経費削減を目指すなら、RPAの導入を検討してみましょう。

(画像は写真ACより)