業務効率化が期待できるRPA 導入後にトラブルは発生するの?

RPAは100%万能とは限らない

RPAを導入するメリットは、ロボットによって作業が処理され、正確でスピーディーな作業を行う点です。このことから、RPAには安心して作業を任せられることでしょう。

しかし、RPAは100%万能であるとは限らず、場合によってはトラブルが発生してしまうこともあるのです。ここでは、RPAの使用中に発生するトラブルについて、実例をもとに紹介していきます。

思わぬ「誤動作」に困惑することも

RPAの使用中に発生するトラブルとして、「誤動作」があります。

RPAは、人間が定めたルールに基づいて作動する仕組みとなっていますが、万が一、人間が定めたルールに誤りがあった場合、RPAは誤ったルールに基づいて作動してしまうことになります。

そのようなケースの場合、企業としては求めていた結果が得られないことも十分にあり得るのです。

また、特に誤動作に気をつけたい場面としては、業務内容の変更に伴ってRPAが処理するルールも変更する場合です。

RPAが処理するルールを誤って変更してしまうと、ルール全体を見た場合に矛盾が生じてしまうことがあるため、RPAが誤って処理してしまう場合があるのです。このようなケースも誤作動につながってしまうことがあります。

RPAは一定のルールに基づいて作業を行っていることから、RPAを利用する場合は正しいルールを認識させることが基本となりますが、本格的に導入する前には試験的な運用も必要でしょう。

「情報漏えい」のリスクに注意!

また、RPAで起こり得るトラブルには「情報漏えい」があります。

RPAを利用する場合には、個人情報や機密情報を取り扱う場合がありますが、RPAがインストールされているサーバーやデスクトップが不正にアクセスされてしまうと、個人情報や機密情報が流出する原因となってしまいます。

特に、個人情報や機密情報の流出は、企業に対する信頼が大きく低下する原因にもつながりかねず、状況しだいでは企業の存続すら危うい状況にもなりかねません。

RPAの利用において、個人情報や機密情報を取り扱う場合は、セキュリティ対策を万全にして、情報漏えいを防ぐことが重要となります。

場合によっては「突然の停止」も

そのほか、RPAで起こり得るトラブルとしては、「突然の停止」があげられます。

RPAにトラブルが発生せず、順調に作動している場合であっても、デスクトップ型RPAの場合は、パソコンに不具合が発生するとRPAが停止してしまいます。同様に、サーバー型RPAの場合は、サーバーがダウンした時点でRPAが停止することになります。

そのほか、RPAが停止する原因としては「停電」があります。停電した時点で、パソコンやサーバーに電力が供給されなくなってしまうため、必然的にRPAの停止につながってしまいます。

さらに、RPAが突然停止しやすいのは、パソコンのOSがアップデートを始めたタイミングです。

RPAの使用中は、CPU使用率やメモリの使用量が上昇する場合がありますが、OSのアップデート中もCPU使用率やメモリの使用量が上昇するために、RPAの作動が停止してしまうこともあり得るのです。

これらの対策としては、メインとして利用するRPAのほかに、予備としてのRPAを普段から作動させ、万が一の場合に予備としてのRPAを活用する方法が考えられます。

また、停電への対策としては、非常用電源を作動させることも一つの方法でしょう。

RPAは、業務の効率化などメリットが前面に出されやすい傾向にありますが、場合によっては、RPAを利用することによってトラブルが発生することも十分にあり得ます。

RPAを利用する際は、メリットのみならず、トラブルが発生する要因も十分に把握した上で、RPAのスムーズな利用を目指していきましょう。

(画像はぱくたそより)