RPAの管理、運用方法は大別すると3種類 具体的にはどんな内容?

RPAの管理、運用方法は、状況に応じて使い分けを

導入することによって業務の効率化が期待されるRPAですが、RPAの導入や管理、運用の方法については、各企業の事情や課題、問題点が異なっていることもあり、必ずしも統一されているものではありません。

むしろ、企業の状況に応じて、RPAの管理、運用の方法を柔軟に変えた方が、RPAの円滑な運用が期待されます。ここでは、RPAを管理、運用する各種の方法についてみていくことにしましょう。

情報把握型について

アビームコンサルティングの執行役員である安部氏によると、RPAを管理、運用する方法は、「情報把握型」、「支援型」、「統制型」の3種類に分けられるとされています。

参考:ASCII Team Leaders
http://ascii.jp/elem/000/001/601/1601938/index-2.html

始めに「情報把握型」についてみていくことにしましょう。情報把握型について説明すると、RPAの導入や管理、運用は現場が主導で行い、管理者はRPAの管理、運用についての情報を把握するにとどめる、ということです。

情報把握型について詳しくみていくと、導入や運用に関する業務を現場主導で行うのはもちろんのこと、予算の獲得やRPAのシステム選定も現場が主導で行います。

また、RPAが行う業務については、管理者がロボット化を禁止する業務のみを定義しますが、それ以外の業務については、ロボット化するかどうかを現場の判断で決められる仕組みとなります。

情報把握型は、現場主導型が根付いている企業に適しているほか、部署単位の先行的なRPAの導入において適していると言えます。

支援型について

「支援型」について簡単に説明すると、RPAを管理、運用する主体は現場であるものの、必要に応じて管理者が現場をフォローしながらRPAの管理、運用を進めるということです。

そもそも、なぜRPAの導入において管理者からの支援が必要となるのでしょうか。

例えば、部署単位でRPAの導入を進める場合は、RPAの導入が一つの部署に限られるため、部署内のメンバーの判断によってRPAを導入することができます。そのために、現場主導でのRPA導入や管理、運用が可能となるのです。

しかし、複数の部署にまたがってRPAを導入する場合、部署間で意見や考え方が食い違う場合があるため、調整が必要となるケースがあります。それを調整するのが管理者の役割となります。

支援型においては、基本的には現場に任せるものの、RPAの対象となる業務の選定やRPAのシステム改修作業など、一部の業務は管理者が主導で行う場合があります。

統制型について

統制型とは、RPAの導入や管理、運用を管理者が主体で行うことを指します。

統制型を取り入れるメリットは、RPAを全社的に導入する場合に有効で、スピーディーな導入が可能となる点です。

例えば、RPAのシステム選定やRPAを導入する業務の選定、運用に至るまで管理者が主導で行えば、現場ではRPAの管理や運用に関して、意思決定を行う必要がなくなるため、現場で行う業務に専念できるようになります。

見方を変えれば、このことはRPAの管理・運用における業務の効率化と言えるでしょう。

逆に、全社的なRPAの管理、運用において現場の意思を尊重する場合、部署ごとでRPAの管理、運用の方法が異なるため、非効率な状況となってしまうことも考えられます。

そのため、全社的なRPAの運用、管理においては統制型が有効と言えるのです。

RPAの管理、運用においては、さまざまな方法があることが理解できたのではないでしょうか。企業の状況に応じながら適切な方法を活用し、RPAの円滑な運用を目指していきましょう。

(画像は写真ACより)