円滑なRPAの導入を目指そう!PoCの後には「評価・修正」を

検証した後は必ず「評価」を、必要に応じ「修正」も

RPAの導入においては、全体的な計画を立てて、その後に行われる「机上検証」と「PoC」で検証作業を行いますが、検証作業を行った後には「評価」が行われます。

さらに、評価の内容によっては「修正」が行われることになります。RPAの導入においては、評価と修正の一連の作業を「評価・修正」と呼んでいますが、具体的にはどのような内容となっているのでしょうか。

なぜ「評価」が行われるのか?

そもそも、なぜRPAの導入において「評価」が行われるのでしょうか。

PoCの段階では検証作業が行われることから、検証した時点でRPAを導入すべきかどうかの判断をつけられそうですが、検証作業のみで判断を下してしまうと、検証者の主観的な判断となってしまうため、正確な判断ができないことも考えられます。

その点、検証作業に対して評価を行えば、検証者の視点だけではなく、評価者の視点が加わるために、検証作業をより客観的に判断することが可能となります。

例えば、経費削減を目的としてRPAの導入を検討し、検証の時点ではさほど問題がないようにみられたとしても、評価した結果、経費削減効果が期待できない、という判断が下されることもあり得ます。

また、RPAを全社的に導入する場合、評価が確実に行われなければ、導入後に不具合が発生することも考えられます。それにより、業務に支障が生じてしまう可能性も十分にあり得ます。

そのような事態を防ぐためにも、PoCが終了した時点で評価の作業が行われるのです。

「修正」はどのように行われる?

PoCに対する評価が問題なければ差し支えないのですが、評価によって、RPAの導入に向けた問題点が見えてくる場合があります。

もし、RPAの導入を前に問題点を発見した場合は、RPAのシステムを修正しなければなりません。

大まかな例として、「RPAの導入において、計画では人件費を10%削減できると見込んでいたが、実際には人件費を3%しか削減できない見込み」という問題が発生したとしましょう。

また、問題点としては、「業務の処理でエラーが発生しやすく、思うように作業効率が改善しにくい」という内容とします。

問題点を改善するためには、エラーの原因を発見し、発見したエラーが生じないように修正作業を行います。

RPAの導入効果を高めるためにも、RPAの評価は厳しく行われるべきで、評価によって生じた問題点は修正作業によって確実に処理する必要があります。

「評価・修正」は「導入・構築」に向けた前準備

「評価・修正」の作業が確実に行われるべき理由としては「導入・構築」に向けた前準備であるためです。

RPAの導入に向けた流れとしては、「全体計画」、「机上検証」、「PoC」を行った後に「評価・修正」を行い、「導入・構築」へと進みます。

「導入・構築」はRPAの導入における最後の段階となっていることから、「導入・構築」が確実に行われるためには、RPA導入における検証作業を確実に評価する必要があるのです。

また、PoCは「概念実証」と言い換えることができますが、PoCの評価とは、RPAを導入する概念とRPAを導入した場合の結果が一致するかどうか、という点から評価されます。

ここで良い評価を得られることにより、RPAの導入に向けたプロトタイプが製作され、RPAの本格的な導入につながっていくのです。

RPA導入の流れにおける「評価・修正」は、RPAの本格的な導入に向けての「砦(とりで)」と言えることでしょう。RPAのスムーズな導入や運用を目指すためにも、評価は確実に行いたいですね。

(画像は写真ACより)