効率化に向けて、RPAの作動中にパソコンを利用したい
事務的な作業を自動的に処理するRPAは、パソコンにインストールされた状態で作動する仕組みとなっています。
そのため、例えて言うなら、RPAがパソコンを利用して作業を行っている状態となりますが、RPAが作動している最中に、人間がパソコンを使って別の業務を行うことは可能なのでしょうか。このことについて調べていくことにしましょう。

RPAの作動中は、他の用途には利用できない
結論から述べると、RPAが作動している端末はRPAに占有されているため、他の用途には使えない状態となっています。
仮に、RPAが作動している端末を人間が利用して何らかの作業を行った場合、RPAが誤作動する可能性があり、正しい処理ができなくなる場合があります。
現在のパソコンは、高度な処理が可能なイメージがあることから、RPAが作動中であっても、人間が端末を利用しても問題がないように感じられますが、RPAの作動中は、RPAがパソコンを占有している状態であるため、人間が端末を使うことはできない状態になっているのです。
RPAは、大量の事務的な作業を正確に処理する機能を有していますが、その分、パソコンの機能をフルに活用している状態であると言えます。その状況では、人間がその端末を利用すると、誤作動が起きてしまうのも理解できるのではないでしょうか。
複数シナリオの同時進行も不可能
また、RPAのシナリオは、1台のパソコンで1種類のシナリオだけしか作動できない仕組みとなっています。
「シナリオ」について簡単に説明すると、RPAが処理する1種類の業務を指します。シナリオの例としては、「月間売上報告書の自動作成」や「見積書の自動作成」などがあげられます。
例えば、月間売上報告書の自動作成と同時進行で、見積書の自動作成も同時に行いたい、と考えていたとしましょう。
しかし、RPAが1つの端末で処理できるのは、1つのシナリオに限られるため、月間売上報告書、もしくは見積書の自動作成のどちらかのみをRPAで処理しなければならないことになるのです。
複数シナリオの同時進行ができない、ということは、RPAの作動中に人間が端末を操作することができない、ということと関連しています。
1つの端末で処理できるのは、あくまでもRPAの1つのシナリオに限られる、ということを理解しておきましょう。
RPAの作動中に他の作業を行うなら、他の端末を利用
端末でRPAのシナリオが作動している場合に他の作業を行いたい場合は、他の端末を用意しましょう。
RPAの作動中は、端末を占有している状態となるため、人間がパソコンを利用したい場合は、別のパソコンが必要となります。
また、1つの端末が処理できるRPAのシナリオは1つに限られることから、他のシナリオも作動させたい場合は、シナリオの分だけ端末を用意する必要があります。
例えば、2つのシナリオを同時に進行させたい場合には、2つの端末が必要となります。また、RPAに任せたいシナリオが増えて、5つのシナリオを同時に進行させたい場合には、5つの端末を用意しなければなりません。
シナリオの数だけ端末を用意することは、一見するとコストが増加するようにも見えますが、RPAは24時間365日の稼働が可能であるため、長い目で見れば、人件費よりも端末を導入する方が、コストカットにつながりやすくなるのです。
業務の効率化が期待できるRPAは、端末をフルに活用して業務を処理することもあり、RPAの作動中は、端末を他の用途には利用することができない、ということを念頭に置いておきましょう。
(画像は写真ACより)