処理エラーが発生すると、業務効率低下の原因に
RPAは、事務的な作業の自動処理が可能であるため、業務の効率化が期待されています。しかしながら、場合によってはRPAを利用していると処理エラーが発生し、正常に動作しない状況になることもあり得ます。
そのような状況では業務が非効率となり、RPAの本領を発揮的できない事態にもなりかねません。そもそも、なぜRPAに処理エラーが発生してしまうのでしょうか。

RPAが作動する仕組みとは?
RPAの処理エラーについて調べる前に、RPAが作動する仕組みについてみていくことにしましょう。
RPAが作動するためには、プログラミングが必要と感じるかもしれませんが、実際には、大半のRPAはプログラミングが不要となっています。
RPAに業務のワークフローを記録していくことによって、RPAが業務のワークフローを把握し、判断が迫られる場面においては、RPAに記録された内容をもとに、RPAが判断を下して作業を処理する、という流れになります。
このため、RPAは、プログラムに関する知識が少なくても、利用が可能な仕組みとなっているのです。
ただし、RPAに対して、業務のワークフローを明確に指定しておかなければ、RPAに処理エラーが生じたり、RPAの判断に誤りが生じたりする場合があります。
そのため、「ある場面においては、どのように作業を処理するか」ということについて明確にしておく必要があるのです。
RPAの利用では、プログラミングミスに注意!
比較的単純な事務作業であれば、RPAに対して業務フローを示すことで、RPAが自動的に業務を処理することが可能となります。
しかし、RPAに複雑な業務の自動化を任せる場合は、業務フローを示すだけではRPAが業務を処理することが困難となるため、RPAが業務を処理する方法をプログラミングによって示す必要があります。
プログラミングを行うことによって、複雑な内容の業務を処理する方法や、判断の基準をより詳しく設定することができるため、プログラミングを適切に行えば、RPAの処理能力向上が期待されるのです。
その反面、プログラミングの内容に誤りがあると、処理エラーが発生して作業がストップしてしまう可能性があるほかにも、RPAが誤った判断を下してしまい、作業を修正する手間が発生することもあり得ます。
RPAの利用においてプログラミングを行う場合には、プログラミングが終了した後、実際にRPAを稼働させて確実な処理を行うかどうかを確認した上で、本格的な稼働を行うべきでしょう。
日頃から業務の標準化を進めていくことが重要
また、RPAを正確に稼働させるには、「日頃から業務の標準化を進めること」が求められます。
RPAに処理エラーが生じる原因は、「判断基準が明確ではない」という点に集約されます。逆の見方をすれば、判断基準が明確であるならば、ロボットであるRPAは、判断基準というルールに基づいて正確な処理を行うことが可能です。
RPAに処理エラーが生じないようにするための対策としては、「判断基準を明確にすること」ですが、判断基準を明確にするには、業務の標準化を進めることが最も効果的と言えます。
例えば、ある作業を行うにあたって、2人の担当者は作業方法が異なるとしましょう。
Aさんは「X」という方法で業務を処理するのに対し、Bさんは「Y」という方法で業務を処理するとします。作業を進める上では、「X」と「Y」のいずれの方法でも作業が進んでいきます。
しかし、RPAが作業する場合、「X」または「Y」のどちらでも良い、というわけにはいかず、どちらか一方の方法で処理しなければなりません。業務の処理方法が2種類ある場合、RPAは処理エラーを表示するかもしれません。
そのため、担当者によって作業方法が異なる場合は、どちらの作業方法が合理的か、ということを明確にしておく必要があるのです。
RPAはロボットであることから、作業の処理においては、明確な判断基準を必要とします。RPAが円滑に稼働するためには、プログラミングミスを起こさないことはもちろんのこと、業務の処理における判断基準を普段から明確にしておくことが必要と言えるでしょう。
(画像はぱくたそより)