社内の改革が実現するRPA 労働者にはどんな変化がもたらされる?

導入する企業が増加傾向を示しているRPA

自社内の業務効率化や、政府が推進する「働き方改革」を実施するために、RPAを導入する企業が増えています。

RPAの導入は、経営者の立場からみるとさまざまなメリットが得られますが、それと同時に、労働者の立場からみた場合にもさまざまな変化をもたらします。それでは、RPAの導入による労働者にとっての変化とは、具体的にどのような内容なのでしょうか。

精神的な負担が軽減される

RPAの導入によって労働者にもたらされるメリットとしては、「精神的な負担の軽減」があげられます。

特に精神的な負担がかかる業務は、定型的な業務である「ルーチンワーク」です。ルーチンワークの特徴は、業務を処理する方法があらかじめ定められていることで、いったん作業の方法を覚えてしまえば短時間で素早く処理できるようになります。

しかし、ルーチンワークは、作業そのものは比較的簡単ではあるものの、作業量がとても多いことが特徴で、単純な作業を長時間にわたって処理しなければなりません。

人間ならではの特徴としてあげられることは、同じことを延々と繰り返すことが苦痛に感じてしまうことであるため、長時間のルーチンワークがつらいと感じてしまうことがあるのです。

その点、RPAを活用すれば、作業をロボットが処理すること、そして、ルーチンワークを確実に処理することから、これまでルーチンワークを処理していた労働者としては、精神負担減につながりやすくなります。

ミスが減り、生産性が向上する

また、RPAを導入することで、作業のミスが減ることもメリットとなります。

労働者がルーチンワークを処理する場合、「間違えないように業務を処理する」と意識しながら作業を行っていたとしても、人間が処理したものであるため、どこかに間違いがあるものです。

そのため、労働者によって作業が行われた場合は、ミスがないかどうかをチェックする作業が発生します。この作業を行うことによって、万が一ミスが発生していた場合は、ミスを修正することができます。

しかし、RPAはロボットによって作業が処理されるため、大量のルーチンワークであったとしてもミスなく着実に処理されるようになります。しかも、RPAによってルーチンワークが処理された場合は、ミスを確認する業務を行う必要がありません。

つまり、RPAを導入することによって、作業が着実に処理される上に、作業の軽減につながることから、生産性向上が期待できるのです。

創造性が必要な業務に集中できる

そのほか、RPAを導入するメリットとしては、他の業務に集中できることがあげられます。

企業の中には、ルーチンワーク系の業務に専念している労働者もみられますが、多くの場合は、創造性が必要とされる業務を処理しつつ、ルーチンワークも処理しなければならないものです。

そのような場合、できることならば創造性が必要とされる業務を優先したいところですが、ルーチンワークを処理しなければ社内の業務が進まないために、ルーチンワークを優先することがほとんどでしょう。

しかし、RPAを導入すれば、ルーチンワークはRPAに振ることができるため、創造性が必要とされる業務に専念することが可能となります。

創造性が必要な業務は人間だからこそできる業務と言えます。RPAを導入して、ロボットが得意な業務、人間が得意な業務に割り振りすれば、効率化や生産性の向上が期待できることでしょう。

働き方改革においては、いかに働きがいのある環境を実現するか、という視点も必要ではないでしょうか。労働者にとって働きやすい環境とするためにも、RPAの導入を検討しましょう。

(画像は写真ACより)