自動化に必須の「RPA」と「OCR」、それぞれの違いは?

事務作業の自動化は、時代のトレンドに

現在では、事務的な作業が自動的に処理されるツールとして「RPA」の認知度が高まっています。そのほかにも、事務的な作業の自動化に欠かせないツールとして「OCR」があります。

いずれのツールも、事務的な作業の効率化においては必須と言えますが、「RPA」と「OCR」はどのような違いがあるのでしょうか。両者を比較しながら調べてみましょう。

RPA、OCRとは?

RPAについて簡単に説明すると、「デジタルレイバー」と呼ばれるロボットが、企業で使用しているデスクトップもしくはサーバーにインストールされることによって、事務的な作業を自動的に処理する仕組みのことです。

また、OCRについて簡単に説明すると、「光学文字認識(Optical Character Recognition)」のことで、アルファベットの頭文字をとっています。

光学文字認識とは、紙に手書きで書いた文字や本に印刷された文字をデジタル上で利用できるようにするために、スキャナーなどで文字読み取りを行い、読み取った文字を文字コードに変換することを指します。

文字コードとは、デジタル上で文字を表示するために、それぞれの文字に割り当てられたコードのことです。

デジタル上で文字を認識する場合、文字の形では認識することができないために、数字とアルファベットで組み合わせられたコードを利用することで、文字を認識する必要があるのです。

OCRで文字を認識する仕組みは?

次に、OCRで文字を認識する仕組みについてみていくことにしましょう。

OCRの文字認識においては、文字をスキャナーで読み取りますが、文字を読み取ってすぐに文字コードに変換されるわけではありません。

その理由は、OCRにおいて文字認識をするためには、どれが見出しでどこからが本文か、また、段落はどのような構成で、どこで行替えされているか、というように、事前に文章の構成を把握しておく必要があるためです。

文章の構成を事前に把握していないまま文字を認識してしまった場合、一例をあげると、カタカナの「カ」と漢字の「力」を誤って認識してしまうことにもなりかねません。

人間であれば、前後の文脈からカタカナの「カ」と漢字の「力」を見分けることが可能ですが、OCRは、文章の構成を把握し、文章を構成する文字の一つ一つを確認することによって、初めて文字を認識することが可能となるのです。

OCRは、さまざまな流れを経て文字認識を行った後に、文字コードへと変換します。

RPAとOCRの連携で、さらなる自動化が実現!

OCRを活用することで、書面に記載された文字を読み取ることが可能となりますが、OCRとRPAを連携させることで、自動処理できる業務の幅がより一層広がることになります。

例えば、RPAを活用して商品の受発注業務を自動的に行っていたとしましょう。メールやインターネットを利用して注文を受けた場合は、RPAが受注内容を認識できるため、自動的な受注が可能となるのです。

しかし、注文書をFAXで受け取った場合、RPAはFAXに記載されている内容を読み取ることができないため、FAXに記載された内容を人手によってパソコンに入力しなければなりません。

このようなケースにおいてOCRを活用すれば、FAXの記載内容をスキャンすることによって、OCRが自動的にFAXの内容を読み取り、OCRが文字コードに変換することによってRPAが受注内容を認識し、発注することができるようになります。

現在は、あらゆる場面でデジタル化が進んでいる状況ではありますが、紙の上に情報を記載することは今も健在です。そのため、OCRは今後も必要不可欠と言えるでしょう。

RPAによって事務作業は大幅に効率化されましたが、OCRと連携することによって、さらなる作業の効率化が期待されます。

(画像は写真ACより)