人手不足と作業効率化の切り札となる「RPA」
日本では今後、労働力人口の減少が見込まれており、多くの企業では人手不足の対応に迫られていますが、その切り札として「RPA」が注目を集めています。RPAの導入によって、事務的な作業の自動化が期待されますが、一口にRPAと言ってもさまざまな導入形態があります。
今回は、RPAの導入形態の一つ「デスクトップリレー型」について詳しく調べていくことにしましょう。

RPAの導入形態「個別デスクトップ」と「集中管理」
デスクトップ型のRPAについて簡単に説明すると、「個別デスクトップがリレー化された状態」を指します。
それでは、RPAの「個別デスクトップ」とはどのような意味なのでしょうか。理解を深めるために、RPAの導入形態について掘り下げていくことにします。
RPAの導入形態について大きく分けると、「個別デスクトップ」と「集中管理」となります。
「個別デスクトップ」とは、それぞれのデスクトップにRPAを導入することを指します。
「集中管理」とは、RPAをサーバーで一括管理する仕組みです。そのため、それぞれのデスクトップにRPAを導入する必要がありません。
中小企業や大企業のある部署内にRPAを導入する場合は「個別デスクトップ」が適しています。逆に、大企業全体でRPAを導入する場合は「集中管理」が効果的です。
デスクトップリレー型RPAの具体例について
上記で「個別デスクトップ」と「集中管理」について説明しましたが、「デスクトップリレー型」は個別デスクトップに含まれます。
その理由は、デスクトップリレー型は、個別デスクトップの形態をリレー方式でつなぐためです。それでは、デスクトップリレーとは、どのような仕組みとなっているのでしょうか。
デスクトップリレーでは、複数台のデスクトップを活用して、一つの業務を行う形となります。例えば、デスクトップA・B・Cで一連の業務を行うとしましょう。
データ入力作業をAのデスクトップで行い、まとまったデータをBのデスクトップに送信します。Bのデスクトップでは、Aから送られてきたデータを分析します。Bのデスクトップは、分析データをCのデスクトップに送信し、Cのデスクトップでは、Bから送られてきた分析結果を元に、自動的に報告書を作成します。
このように、デスクトップ同士が連携することで、複数の作業を一連のデスクトップで行うことが可能となります。
デスクトップ型RPAはどのような場面で適している?
それでは、デスクトップ型RPAはどのような場面で適しているのでしょうか。
デスクトップRPAの利用シーンとしては、個別デスクトップのみでは作業の処理が困難な状況であるものの、集中管理ほどRPAの範囲を拡大する必要がない場合です。
先ほど、与えられたデータを分析して報告書を作成する作業をデスクトップリレーで行う、という事例を紹介しました。
仮に、個別デスクトップの場合、データ集計とデータ分析までは行うことができるかもしれませんが、データを元に報告書を作成することは難しいかもしれません。
個別デスクトップのみで一連の作業が行えない場合は、集中管理の導入を検討するかもしれませんが、集中管理はデスクトップをカバーする範囲が広いうえに、導入にコストがかかることがネックとなります。
そのため、個別デスクトップの能力に、もう少し能力を追加する程度で十分な場合は、デスクトップリレー型の導入が適していると言えるでしょう。
業務の効率化を推進するためは、RPAの導入が効果的と言えますが、RPAにはさまざまな形態があります。自社の状況を踏まえ、自社に適したRPAの導入を検討しましょう。
(画像は写真ACより)