労働力人口が減少している今こそ、RPAで対策を
近年、多くの企業で人手不足が問題化していますが、人口が減少傾向にある日本では、労働力人口のさらなる減少が懸念されています。
人材を募集してもなかなか集まらない状況においては、少ない労力でいかに効率的に作業を進めるか、という点にも着目したいところですが、それを実現するのが「RPA」の導入です。
RPAの導入が人手不足対策につながっていく点について、詳しくみていくことにしましょう。

複雑な事務作業を効率化できるRPA
RPAの特長は、事務的な作業を自動化することですが、単純な事務作業のみならず、複雑な事務作業の自動化も可能です。
例えば、ある担当者が、複数の取引先から送られてきたデータを参照し、そのデータをエクセルに一つ一つ入力していく、という事務作業を受け持っていたとしましょう。
データを参照する作業と、データをエクセルに入力する作業は別々の作業となりますが、これまでは、これら一連の作業を自動化することは困難と考えられてきました。
しかし、RPAを活用すると、データを参照する作業とエクセル入力作業の両方の作業を自動的に処理することが可能となります。
また、人手によって処理すると、データの数値を確認したり、データを入力したりする際に間違えてしまうこともあり得ますが、RPAはミスすることがないために、正確な作業を行うことができます。
これまでは難しいとされてきた事務作業の自動化を、簡単に実現できることがRPA活用のメリットと言えます。
RPAは、24時間365日稼働可能
また、RPAの特長としては、24時間365日稼働し続けることが可能である点です。
社員の労働時間を8時間とした場合、24時間稼働し続けるRPAと社員の労働時間を比較すると、RPAは社員の労働時間の3倍働くことになります。
しかも、RPAは大量の単純作業であってもミスすることなく処理し続けるため、社員が処理するよりも速く、しかも正確に処理することができます。
日経xTECH(クロステック)によると、RPAを全社的に導入した日本生命では、RPAの活用により事務作業が従来の5倍に高速化したとのことです。
参考:日経xTECH(クロステック)
https://tech.nikkeibp.co.jp/
事務作業が従来の数倍に高速化することによって、事務作業の大半をRPAに任せられるため、事務作業に割り当てる人員を減らすことが可能となります。
つまり、RPAを導入することが人手不足の対策につながるのです。
RPAの活用で、人的リソースシフトが実現!
さらに、RPAが十分に機能するようになれば、「人的リソースシフト」が可能となります。人的リソースシフトとは、人材を重要な業務に配置転換する意味合いを持ちます。
企業で行われている業務は、自動化が可能なものについてはできる限り自動化すべきですが、全ての業務が自動的に処理できるものではありません。
例えば、意思決定をすること、新製品のアイデアを考えたり、開発に取り組んだりすることなど、クリエイティブなことが求められる業務については、人間でなければ行うことができません。
しかしながら、人手不足の状態では、人間が取り組むべき業務の人材が不足することにもなりかねません。
そこで、これまで人手で処理していた事務作業をRPAに任せるのです。
RPAの処理速度は人間の数倍に達することから、RPAを適切に活用すれば、事務作業にあてていた人員を浮かせることが可能となり、他の部署に配置することができます。これにより効率的な企業運営が可能となることでしょう。
RPAは、事務作業をスピーディーに処理することから、人手不足対策に大きく貢献することができます。人手不足で頭を悩ませている企業こそ、RPAの導入を検討してみましょう。
(画像は写真ACより)