RPAを全社的に導入するなら、明確なルール設定を

 

ルールを設定し、RPAを問題なく利用しよう

RPAを導入すると、業務の効率化が期待できることから、RPAを導入していない企業としては、できるだけ早い段階でRPAを全社レベルで導入したいと考えていることでしょう。

しかしながら、RPAを導入する際にルールが設定されていないと、業務の効率化が思うように進まなかったり、現場が混乱してしまったりする原因にもなりかねません。今回は、RPAの導入におけるルール作りとその運用について考えていきます。

なぜ、RPAの導入にルールが必要なのか?

そもそも、なぜRPAの導入にルールが必要なのでしょうか。その理由は、RPAを導入したにもかかわらず、業務の効率化やコスト削減が進まない状況を防ぐためです。

例えば、RPAを導入した際に発生しうる問題として「ブラックボックス化」があげられます。ブラックボックス化とは、RPAを扱う側の人間が、RPAの業務処理プロセスを理解しておらず、RPAの処理に問題が発生しても、問題が解決できない状態を指します。

ブラックボックス化の問題が発生してしまう理由としては、RPAの業務処理を過信しすぎ、RPAの業務処理プロセスを文書化していなかったことがあげられます。

このような場合、RPAの担当者が変わってしまうと、RPAの業務処理プロセスに関する文書がなければ、新しいRPAの担当者はRPAの業務処理プロセスを理解していないために、万が一の事態が発生した場合、対応できないことになります。

逆の見方をすれば、RPAの導入時に、RPAの業務処理プロセスを文書化していれば、RPAの担当者が変わったとしても、トラブルへの対応が可能となるのです。

上記は、RPAのトラブルに関する一例ですが、RPAを導入する場合、トラブルを防ぐためにも一定のルールが必要となります。

RPAを導入する場合のルールを決めておく

RPAを全社的に導入する場合のルールとしては、大きく分けると「導入に関するルール」と「運用に関するルール」があります。それぞれのルールについて詳しくみていくことにしましょう。

導入に関するルールとは、RPAを導入するかどうかの判断基準を定めることです。具体的な判断基準としては、「定型的な業務であること」や「同じ作業を繰り返すかどうか」という点になります。

定型的で、なおかつ繰り返しとなる作業は、RPAが得意とする作業分野となりますが、その一方で、RPAが不得意な作業としては、判断力が求められる作業があります。

そのため、RPAを導入するルールの一例としては「定型的で繰り返しが生じる作業をメインとする」という内容が考えられます。

なお、判断が求められる作業であっても、比較的簡単に判断できる内容であれば、判断におけるルールをあらかじめ設定した上で、RPAに判断内容を認知させ、RPAに判断させる、というルールに設定することも可能です。

RPAを運用する場合のルールを決めておく

次に、運用に関するルールの一例としては、「システム変更に関するルール」や「ロボットの管理に関するルール」などがあげられます。

RPAはロボットであることから、定型的な業務の処理を得意としていますが、企業を取り巻く環境は常に変化していることから、それにともなって、RPAが業務を処理する方法を変えなければならないケースもあるでしょう。

そこで、RPAの業務処理方法はどのような場合に変更するか、という基準をあらかじめ決めておいたり、RPAの業務処理の変更は誰がどのようにして行うのか、ということを決めたりする必要があります。

また、ロボットの管理に関するルールにおいて重要なことは、「野良ロボット」の発生を防ぐことがあげられます。

野良ロボットとは、RPAの管理者が把握していないところで新たに生成されてしまったロボットのことです。野良ロボットは、場合によっては勝手に作業を進めて、不正確な結果を出してしまうため、業務に支障が生じる点が問題となっています。

そのような野良ロボットが生成されることのないように、ロボットの管理をルール化することが求められるのです。

RPAを導入すると業務が効率化しやすくなりますが、ルールを設定しない状態でRPAを導入すると、問題が発生してしまうこともあります。円滑にRPAを利用するためにも、事前に明確なルールを作成しておきましょう。

(画像は写真ACより)