野良ロボットを放置すると、ブラックロボットに?
RPAを利用する上では、管理者によって管理されていない「野良ロボット」の存在が悩みの種となりますが、野良ロボットを放置したままにしておくと「ブラックロボット」に変化してしまうことがあります。
ブラックロボットは企業にとって脅威となる存在と言えますが、ブラックロボットとはどのようなロボットで、どんな問題を発生させるのでしょうか。ブラックロボットについて熟知し、ブラックロボットによる被害を防ぎましょう。

ブラックロボットとは?
ブラックロボットについて簡単に説明すると、RPAの稼働中に迷惑行為を繰り返すロボットのことです。
主な迷惑行為としては、誤った処理を行い、全く異なる結果を出力してしまうことがあげられます。
全く異なる結果を出力してしまうと、結果を修正する作業に時間がかかってしまうのはもちろんですが、ブラックロボットが存在していることによって、誤った処理を何度も繰り返す可能性があるために、ブラックロボットのシステムを修正する必要があるのです。
そもそも、なぜブラックロボットが発生してしまうのでしょうか。その理由としては、野良ロボットを放置したままにしていることが考えられます。
野良ロボットが発生してしまう要因は、RPAで稼働するロボットの数が多すぎて、RPAの管理者がロボットを管理しきれないためであり、ロボットのシステムに修正が必要となる場合であっても、修正されずに放置されてしまうことがあります。
ロボットが放置されたままであると、ロボットは新しい処理方法で業務を処理せず、旧来の方法で処理してしまいます。つまり、誤った方法で業務を処理することになってしまい、場合によっては誤った結果を出力し、現場を混乱させてしまうことにもつながりかねないのです。
企業の信用が失墜する可能性をはらむブラックロボット
ブラックロボットの誤処理により、社内でトラブルが発生してしまうのは問題と言えますが、それ以上に問題となりかねないのが、ブラックロボットの誤作動が原因で、取引先や顧客に多大な迷惑をかけてしまうことです。
例えば、取引先に対する請求書の作成業務をRPAのロボットが行っていたとしましょう。
ロボットのシステム変更が必要な時に、もしRPAの管理者が不在であれば、そのロボットは新しい業務の処理方法を理解していないことが原因で、請求額を誤って計算してしまい、請求書の内容が誤っているにも関わらず、ロボットが取引先に請求書を送付してしまうことも考えられます。
誤った請求書を送付してしまうことは、企業の信用を失うことにもつながりかねず、場合によっては取引が停止されてしまうことも十分にあり得るのです。
ブラックロボットの誤処理によって、上記のようなトラブルが発生してしまったなら、企業にとっては致命的と言わざるを得ないでしょう。
ブラックロボットの発生を防ぐには?
それでは、ブラックロボットの発生はどのようにして防げば良いのでしょうか。
ブラックロボットとは、そもそも野良ロボットであることから、ブラックロボットの発生を防ぐためには、野良ロボットの発生を防ぐことが基本となります。
野良ロボットが発生してしまう理由を簡潔に説明するなら、ロボットが管理されていないためであることから、野良ロボットの発生を防ぐためには、ロボットの管理を確実に行うことが求められます。
企業によっては、担当者の異動などにより、RPAの管理者が不在となっているケースもみられることから、管理者が不在の場合は、管理者を設定しておきましょう。
そのほか、RPAを管理する際の問題としては、管理者だけではロボットを管理しきれず、結果的に野良ロボットが発生してしまうことです。
そのような状況を防ぐための方法として、ロボットを管理する機能を有するRPAツールをあらかじめ導入しておくことも考えられます。
脅威とも言えるブラックロボットですが、ブラックロボットの被害を防ぐには、ブラックロボットを発生させないことが有効です。ロボットの管理を確実に行い、RPAを円滑に利用していきましょう。
(画像は写真ACより)