人口の増加が期待しにくい先進国 人手不足対策はどうしている?

 

先進国では出生率の低下により、人口が伸び悩む状況に

世界全体でみた場合、人口は増加を続けているものの、先進国に限ってみた場合、出生率は多くの国で2%を下回っており、今後の人口は伸び悩む状況となりそうです。

そのような背景もあり、先進国では労働力の人手不足が深刻化していますが、先進諸国ではどのような人手不足対策を打ち出しているのでしょうか。

労働力人口に占める外国人労働者数の割合をチェック

はじめに、日本と先進諸国における「労働力人口に占める外国人労働者数の割合」についてみていくことにしましょう。

上記のデータについては、独立行政法人労働政策研究・研修機構が発表しています。

そのデータを参照すると、労働力人口に占める外国人労働者数の割合は、2005年の時点において、日本が1.1%であるのに対し、アメリカは15.2%、ドイツは9.3%、フランスとイギリスは5%台となっています。

また、2016年のデータを参照すると、日本は1.6%で、2005年と比較するとわずかながら上昇しています。なお、欧米諸国でデータがあるのはイギリスのみですが、2016年の時点において、イギリスでは10.3%となっており、2005年と比較すると5%も上昇していることが分かります。

参考:独立行政法人労働政策研究・研修機構
データブック国際労働比較2018 2.人口・労働力人口
https://www.jil.go.jp/
※第2-16表 外国人労働力人口(ストック)を参照

上記の調査結果より、欧米では外国人労働者を積極的に受け入れているのに対し、日本では、欧米と比較すると外国人労働者の受け入れに消極的であることが読み取れます。

ヨーロッパにおける移民受け入れの状況

ヨーロッパの先進国は、移民の受け入れに寛容な国が多いですが、その背景してあげられることは、自国の労働力不足を移民の受け入れで対応したことがあげられます。

特にドイツでは、第二次世界大戦後の人手不足を補うために、積極的に外国人労働者を受け入れ、その結果、経済を発展させることに成功しました。

欧州連合(EU)は、原則として移民を受け入れる政策を打ち出しています。そのような背景により、EU諸国では外国人労働者の受け入れを行ってきたものの、近年は、移民の受け入れによる諸問題も発生するようになりました。

問題の一例としては、社会保障費の負担増や、自国民と移民との間でトラブルが発生していることなどがあげられます。

上記のような流れにより、EU諸国においては移民の受け入れ政策が曲がり角にさしかかっている状況と言えます。

日本における移民受け入れの状況

一方、日本では移民の受け入れが積極的に行われていない状況です。その背景としては、労働力人口の減少を改善するというメリットの面よりも、移民受け入れによる社会問題の増加や、社会保障費の増加など、デメリットの面を懸念していることがあげられます。

そのため、日本では法律による条件を満たさなければ、外国人労働者は日本国内における労働が認められない状況となっています。

しかしながら、日本国内の深刻な人手不足を背景として、政府は2018年10月、新たな外国人材を受け入れるための在留資格である「特定技能」を創設すると発表しました。

2018年11月の時点において、外国人が労働できる業種は限定されている状況ですが、新たな制度が実施された場合、農業や建設業などにおいても、外国人労働者の労働が認められることになります。

日本は、先進諸国と比較すると、労働力人口に対する外国人労働者の比率は低くなっていますが、外国人労働者は年々増加の傾向にあり、政府の調べによると、2017年の時点で日本国内では約128万人の外国人が働いている状況です。

今後、外国人労働者に関する新たな制度が実施されれば、日本における外国人労働者数は増加していくものと見込まれます。

(画像はPixabayより)