突然のエラーで対応に四苦八苦! RPAにエラーが発生する理由は?

エラーが発生すると、業務に支障が生じることも

RPAはロボットによって業務が処理されることから、業務が円滑に処理される印象がありますが、RPAの利用状況によってはエラーが発生し、場合によっては業務に支障が生じてしまうことがあります。

それでは、なぜRPAの稼働中にエラーが発生してしまうのでしょうか。その原因について調べてみましょう。

画面上の項目を正確に認識していない

RPAがエラーとなる原因として考えられるのは、RPAが画面上の項目を正確に認識できないために、認識に失敗してしまうことがあげられます。

例えば、あるページにログインしようとしている場合に、パスワードを入力しなければならないとしましょう。

RPAが自動的にパスワードを入力しようとしている場合、RPAは「パスワード」という文字と、パスワードを入力する空欄を認識することで、パスワードの入力を行います。

この状態であれば、RPAが画面上の項目を正確に認識していることになります。そこで、RPAが順調に稼働しているため、これまで利用してきたRPAを他のパソコンでも稼働させたとしましょう。

しかし、今まで利用してきたパソコンと新たに利用するパソコンで、ディスプレイの解像度が異なっている場合、「パスワード」という文字と、パスワードを入力する空欄の大きさが異なってしまいます。

すると、RPAのロボットは、文字と空欄の大きさが異なっているために、今まで認識してきた文字と空欄とは異なると判断してしまい、パスワードを入力することができなくなってしまうのです。

このような状態を防ぐためには、ディスプレイの解像度に依存しなくても、文字や空欄を認識できるようなシステムを作成しておく必要があります。

想定外のシナリオが発生してしまう

また、RPAがエラーとなってしまう要因としては、想定外のシナリオが発生してしまうことがあげられます。

RPAが業務を処理する仕組みは、あらかじめ作成されたシナリオをもとにして、シナリオ通りに処理することです。

つまり、シナリオに基づいた内容で業務を処理していれば、処理をミスすることなく、24時間連続的に業務を続けることが可能となります。

しかし、シナリオに記載されていない内容の業務処理を求められた場合、RPAは、その業務を処理する方法を理解していないために、処理が不可能と判断して作業を停止してしまうことがあります。これによりエラーとなるのです。

このような状態を防ぐためには、RPAのシステムを作成する時点で業務の流れを十分に把握し、RPAが判断に困ることのないようなシステムを作成しておく必要があると言えるでしょう。

画面が切り替わる前に入力作業を行ってしまう

そのほか、RPAにエラーが発生する理由としては、画面が切り替わる前にRPAが入力作業を行ってしまうことがあげられます。

通常であれば、画面の切り替わりはスムーズに行われますが、サーバーが重かったり、あるいはパソコン自体が重かったりすると、画面が切り替わるまでに通常よりも時間がかかってしまうことがあります。

本来、入力作業は画面が切り替わった時点で行うべきですが、RPAが業務処理を行う場合、一定のスピードで入力作業を行うため、画面が切り替わったかどうかは一切関知せず、自動的に入力作業を行ってしまうことがあるのです。

その時、パソコン側は、画面を切り替える処理を行っている状態ですが、そのようなタイミングで入力作業が行われてしまうと、パソコン側は処理がパンクしてしまい、結果的にエラーとなって業務が処理されない状態となってしまいます。

このような状態を防ぐためには、サーバーやパソコンの負荷を軽くする対策が必要な場合がありますが、画面が切り替わったことをRPAに認識させ、画面の切り替わりを確認した時点で入力作業をスタートさせる、というシステムの構築も検討すべきでしょう。

RPAの稼働中にエラーが発生する理由としては、RPAのシステムに関係したものとなっていますが、サーバーやパソコンに負荷がかかっていることが原因となる場合もあります。

エラーが発生した場合は、エラーの原因を確認し、RPAのシステムが改善できるようであれば改善を行い、エラーが発生しにくい状態を保つことも必要となります。

(画像は写真ACより)