なんとなく放置しておくと、大変なことに?
RPAの運用に支障をきたしてしまう「野良ロボット」は、RPAのロボットの管理が不十分な状況であるほど発生しやすくなりますが、そのような状況であるほど、野良ロボットが発生してしまったことすら気がつかないかもしれません。
もし、発生してしまった野良ロボットをそのまま放置しておいたら、どのような問題が発生してしまうのでしょうか。起こりうる問題を事前に把握し、野良ロボットが原因によるRPAのトラブルを防ぎましょう。

RPAの導入コストや導入の手間が無駄になる
野良ロボットを放置しておくことによる問題としては、RPAの導入コストや導入の手間が無駄になってしまうことです。
業務の効率化を目指してRPAを導入したはずなのに、野良ロボットの発生によって誤作動が発生し、誤作動の対処に追われてしまうと、業務の効率化とはほど遠い状況となってしまいます。
そもそも、RPAのロボットが野良化してしまう理由としては、業務の効率化が期待できそうだからと無計画にRPAを導入してしまったこと、そして、RPAのロボットの管理が行き届かなくなってしまったことが考えられます。
野良ロボットの発生は、コストや手間の無駄につながってしまいますが、逆の見方をすれば、RPAの導入を計画的に行い、ロボットを確実に管理できる仕組みを作っておけば、野良ロボットの発生を防ぎやすくなります。
RPAの導入において無駄なコストや手間を発生させないためにも、RPAを導入する際には、あらかじめ計画を練っておくことが重要と言えるのです。
野良ロボットが「ブラックロボット化」
また、野良ロボットを放置しておくことで特に問題となりやすいのが、野良ロボットの「ブラックロボット化」です。
ブラックロボットとは、業務の処理においてさまざまな問題を引き起こすロボットのことを指します。
例えば、本来行う必要のないデータ入力やデータの計算を勝手に始めたり、正しいルールで業務を処理せず、誤ったルールで業務を処理してしまい、エラーを発生させたりしてしまうことなどがあげられます。
このような状態になってしまう理由は、野良ロボットとして放置されたままとなってしまったためです。業務の処理方法に変更が生じた場合、RPAのロボットに新しい業務の処理方法を指示する必要がありますが、その作業を怠ってしまうと、RPAのロボットは今までの通りの方法で作業を処理してしまいます。
処理方法が変わったにもかかわらず、RPAとしてはこれまでの処理方法が正しいと認識していることから、求めていた結果とは違う結果が出てしまうことは当然の結果と言えるでしょう。
野良ロボットの中には、勝手に作動するだけで、特に問題を及ぼさないロボットもありますが、勝手に作動して大きな問題を発生させてしまうロボットが存在することにも留意する必要があります。
ブラックロボットが引き起こしたトラブルの解決は困難
ブラックロボットの問題点は、予期せぬトラブルを引き起こして、業務に支障を発生させてしまうことですが、ブラックロボットは野良ロボットが変化したものであるために、トラブルの復旧に時間がかかってしまうこともネックとなります。
そもそも野良ロボットとは、誰にも管理されていないロボットのことですが、管理されていないがために、野良ロボットの仕組みを理解できる人がいない状況となっています。
つまり、野良ロボットの変形種であるブラックロボットも同様に、その仕組みを理解できる人がいない状況であり、手探りの状況でブラックロボットの修正に当たらなければならないのです。
言い換えれば、ブラックロボットが暴走してしまうと、それを止めるのはかなり困難な状況と言えるでしょう。
RPAのロボットは、管理の不行き届きなどが原因で、野良ロボット化してしまうことがありますが、ロボットの管理を少し怠るだけで、結果的に大きな問題が発生してしまうことがあるのです。
RPAを利用する場合は、ロボットを適切に管理し、野良ロボットの発生を防ぐことが重要と言えます。
(画像はPixabayより)