似ているようで異なる「RPA」と「BOT」、どんな違いがある? 

業務の自動化に欠かせない「RPA」と「BOT」

事務的な業務を自動的に処理する仕組みとして「RPA」がありますが、同様に、自動的な処理を行うものとして「BOT」があります。

RPAとBOTは、一見すると同じような仕組みと言えますが、詳しく調べてみると、RPAとBOTは異なる性質を持つことが分かります。それでは、RPAとBOTにはどのような違いがあるのでしょうか。業務の自動化を推進する立場であれば、ぜひとも理解しておきましょう。

BOTとはどんな仕組み? RPAとの違いは?

BOTについて簡単に説明すると、定められたルールに従って単純な作業を自動的に繰り返すシステムのことを指します。

「定められたルールに従って単純な作業を自動的に繰り返す」という内容であれば、BOTもRPAの仕組みとほぼ同じと言えますが、RPAとBOTで異なる点は、BOTの場合、プログラミングによって指示する必要があることです。

そのため、BOTを活用するためにはプログラミングの知識が必要となりますが、プログラミングを活用することによって、BOTに対して詳細な点まで指示を出せることから、RPAと比較すると、より高度な作業の自動化が可能となるのです。

RPAのロボットに対するシステムを作成する場合は、プログラミングの知識がなくても可能ですが、RPAの業務範囲は、事務的な作業の自動化にとどまることから、BOTがカバーできる業務範囲と比較すると、業務範囲が狭まりやすくなります。

なお、高度な作業による自動化と言えば、AIによる自動化が想定されますが、BOTはAIとは異なって学習する能力がないことから、あくまでプログラミングの範囲内で自動的に処理すること特徴的と言えます。

BOTはどんなところで利用される?

BOTが活用されるシーンとしては「チャットボット」があります。

チャットボットとは、人間の問いかけに対し、問いかけの内容を分析し、問いかけに適した回答を自動的に考えて、適切に返答するシステムのことです。

チャットボットの中には、会話の内容が限定されるものもありますが、中には、ロボットによる返答でありながら、人間同士で会話している状態と比べても遜色のない会話が成立することもあります。

チャットボットがスムーズに会話を進められる理由としては、チャットボットが聞き取った言葉を、チャットボットが有している「会話のデータベース」と照らし合わせ、適切な返答を探し出して答えるためです。

チャットボットは、会話の数をこなすほど適切な返答ができるようになりますが、その流れは、まさに人間が数々の会話をこなしながら適切な返答ができるのと同じと言えるでしょう。

そのほか、BOTが活用される場面としては、大手検索サイト「Google」の検索エンジンに活用されていることがあげられます。

ウェブサイトの検索順位を決めるためには、ウェブ上に存在するすべてのサイトをくまなく巡回する必要がありますが、ウェブ上に存在するウェブサイトの数はまさに膨大です。

しかしながら、BOTを活用すれば、ウェブサイトを閲覧するという単純作業を高速で処理するので、検索順位を決めることが容易となるのです。

RPAとBOTは、決められたルールに沿って処理する仕組みであることから、同じようなシステムのように感じられますが、システムの作成方法や作業の守備範囲について見てみると、異なるシステムであることが理解できたのではないでしょうか。

特に、BOTはコミュニケーションツールとして活用されることが多いため、顧客との対応を自動化したいのであれば、BOTの導入が有効と言えそうです。

(画像は写真ACより)