野良ロボットは、予想外の処理をしてしまうことも
RPAを利用する際のデメリットとして、野良ロボットの発生があります。
野良ロボットは人間によって管理されていないロボットであるために、突然、予想外の処理を始めることがあり、RPAを利用する立場としては、頭を抱えるような事態に追い込まれてしまうことがあるのです。
そのため、野良ロボットを発生させないことが重要となりますが、野良ロボットの発生を防ぐにはどうすれば良いのでしょうか。

RPAの導入範囲を事前に検討しておく
野良ロボットの発生を防ぐ対策としては、RPAの導入範囲を事前に検討しておくことがあげられます。
野良ロボットが発生してしまう要因は、稼働しているロボットの数が多く、RPAの管理者がすべてのロボットを把握しきれていないためです。
しかし、見方を変えれば、ロボットの稼働台数を管理者が把握できる程度におさえれば、管理者はロボットの管理が容易となるために、野良ロボットが発生しにくくなります。
そのため、RPAの導入範囲を決めておく必要がありますが、RPAの導入にあたっては「どの業務をRPAに処理させるか」ということを決めておくことが効果的です。
例えば、「簡単な作業ではあるけれど、繰り返しが多く単調な作業」は、人手によって処理するよりも、RPAの方が効率的に処理できることから、このような作業を優先的にRPAに処理させるべきでしょう。
RPAの導入範囲を事前に検討し、定められた範囲内でRPAを稼働させれば、ロボットを管理しやすくなります。
マニュアルを用意し、作業のブラックボックス化を防ぐ
また、野良ロボットを発生させないための対策として、作業のブラックボックス化を防ぐことがあげられます。
作業のブラックボックス化とは、RPAが処理している業務内容を、RPAの管理者が把握できていない状況を指します。
そのような状況となってしまう理由は、ロボットによる業務の処理が順調に進むようになると、管理者が業務の処理をロボットに任せっきりにしてしまい、最終的に、ロボットが処理してる業務の内容がうやむやになってしまうためです。
その状態で管理者の引き継ぎが行われた場合、新しい管理者はロボットが業務を処理している内容を把握できない状態となってしまいます。
そのような状況を防ぐために、RPAを導入する際に、ロボットが処理している内容をマニュアル化しておくと良いのです。
文書によってマニュアル化しておくことで、万が一、ロボットが野良ロボット化してしまっても、マニュアルの内容を調べることで、野良ロボットを修正し、適切に稼働するロボットに変えることが可能となります。
ロボットの稼働状況が監視できるRPAツールを導入する
そのほか、野良ロボットを発生させないための対策としては、ロボットの稼働状況が把握できるRPAツールを導入することがあげられます。
RPAのロボットは管理者によって管理されることが一般的ですが、ロボットの導入範囲を管理者が管理できる水準におさえたとしても、場合によってはすべてのロボットが管理しきれない状況になることがあります。
そこで、ロボットの稼働状況が把握できるRPAツールを活用すれば、稼働状況を分析することによって野良ロボットを発見することが可能となるのです。
ロボットの業務処理の内容をあらかじめ文書化しておけば、発見した野良ロボットは、一般的なロボットに修正することもできます。
RPAを順調に稼働させるためには、野良ロボットの発生をいかに防ぐか、ということが重要となります。ロボットを管理しやすい状況を維持して、RPAの適切な運用に努めていきましょう。
(画像は写真ACより)