「概念実証」を意味するPoC RPA導入時にはどんな検証をする?

RPA導入において重要なプロセスの「PoC」

RPAの導入においては、全体的な計画を立てた上でさまざまな検証が行われますが、検証方法の一つとして「PoC」があります。「PoC」とは「概念実証」という意味ですが、RPAの導入においては具体的にどのような検証が行われるのでしょうか。

そのほか、PoCを行う目的やPoCの進め方、PoCを進める上でのポイントについてもみていくことにします。

PoCではどのような検証が行われる?

RPAの導入においては全体検証や机上検証のほかに、PoCなどが実施されますが、PoCではどのような検証が行われるのでしょうか。

はじめに、PoCについて簡単に説明すると、PoCとは「Proof of Concept」の略語です。直訳すると「概念(コンセプト)を証明すること」となりますが、この場合の概念とは、「RPAを導入する概念(コンセプト)」を指します。

なお、PoCを実施する場合は、試作的なシステムを製作した上で検証作業が行われます。

RPAを導入する概念とは、例えば「これまで人手で処理していた作業については、ロボットによる自動的な処理を目指す」ということや、「業務の効率化を目指して経費を削減する」ということがあげられます。

つまり、PoCとは、上記のような概念がRPAの導入によって実現するかどうかを検証することと言えるのです。

確実な検証結果を得るには、RPAの導入後がベストですが、検証作業を行わずにRPAを導入してしまうと、問題が発生した場合の修正作業が大がかりなものとなってしまうため、試験的な段階であるPoCにおいて検証作業を行います。

これにより、万が一不具合がみられたとしても、修正作業は小規模で済ませることが可能となるほか、PoCによって導入の中止を決めた場合も、損失を抑えることができます。

PoCを行う目的とは? PoCはどのように進めれば良い?

PoCを行う目的としては、RPAを利用するかどうかを判断することや、不具合がみられた場合に早い段階で修正することがあげられます。

仮に、PoCによる検証作業を行わずに本格的な導入を行うと、修正が必要な場合、修正作業が困難な状況になってしまうことがあるためです。

PoCの進め方としては、業務上の問題点を明確にすることが基本となります。

業務上の問題点が明確であるならば、問題の解決に向けてRPAが利用可能かどうか、ということや、RPAのシステムをどのように改善すれば問題が解決するか、ということが明確になります。

RPAの導入におけるPoCのポイントは?

次に、RPAを導入する際のPoCについて、そのポイントについてみていくことにしましょう。

PoCを実施する場合には、できる限り小規模な状態で行うことがポイントとなります。その理由は、小規模な状態で行うことでPoCのコストを抑えられるためです。

概念の検証においてできる限り正確なデータをとるためには、規模を大きくした方が良いようにも感じられますが、規模を大きくすることはそれだけコストがかかることにもつながります。

仮に、検証によってRPAの導入を見送ることになった場合、小規模な状態での検証であれば損失は抑えられるものの、PoCを大規模な状態で行えば、損失額が増加しかねません。

また、できる限り実際の状況に近い状態で行うこともポイントとなります。PoCによって検証作業を行う場合、実際の利用状況に近づけるほど、より正確な検証を行うことができるためです。

PoCはRPAを導入するかどうかを決めるための重要なプロセスと言えます。確実な検証作業を行って、RPAの導入効果を高めていきましょう。

(画像は写真ACより)